2007日仏合作/97分/カラー/
奈良県東部の山間地。自然豊かなこの里に、旧家を改装したグループホームがある。ここでは軽度の認知症を患った人たちが、介護スタッフとともに共同生活をしている。その中の一人、しげき(うだしげき)は、33年前に妻・真子(ますだかなこ)が亡くなってからずっと、彼女との日々を心の奥にしまい込み、仕事に人生を捧げ生きていた。
そして今、しげきは亡き妻の想い出と共に静かな日々を過ごしていた。誰も立ち入ることの出来ない、しげきと妻だけの世界。そのグループホームへ新しく介護福祉士としてやってきた真千子(尾野真千子)もまた心を閉ざして生きていた。子どもを亡くしたことがきっかけで夫(斉藤陽一郎)との別れを余儀なくされたのだ。つらい思いを抱えながらも、真千子は毎日を懸命に生きようとしていた。
ある日、亡き妻の思い出の詰まったリュックサックを、そうとはしらず何気なく手にとった真千子を、しげきは突き飛ばしてしまう。自信を失う真千子を、主任の和歌子(渡辺真起子)は静かに見守り、「こうしゃんなあかんってこと、ないから」とそっと励ます。次第に、真千子は自分の生き方を取り戻し始める。そして毎日の生活の中で、やがて心打ち解けあっていく、しげきと真千子。
真千子は、しげきと一緒に妻の墓参りに行くことになるが、途中で真千子が運転する車が脱輪してしまう。助けを呼びに行く真千子。しかし、事態は思っても見ない展開になるのだった・・。
2007 カンヌ国際映画祭グランプリ(審査委員特別大賞)
2007 エストニア/タリンブラックナイツ国際映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)
2007 マケドニア国際映画祭観客賞・市長賞
2008 毎日映画コンクール撮影賞
2008 高崎映画祭最優秀監督賞
2007-2008 Time for Peace Asian Film Award
監督+脚本+プロデュース | 河瀨直美 |
撮影 | 中野英世 |
照明 | 井村正美 |
録音 | 阿尾茂毅 |
美術 | 磯見俊裕 |
音楽 | 茂野雅道 |
演奏 | 坂牧春佳 |
海外 | Executive Producer: Hengameh Panahi、Supervising Sound Editor:David Vranken |
支援 | 文化庁、With the participation of the Centre National de la Cinématographie |
製作 | 組画+celluloid dreams productions+ビジュアルアーツ専門学校大阪 |
宣伝・配給 | 組画 |
しげき:うだ しげき
真千子:尾野 真千子
和歌子:渡辺 真起子
真子:ますだ かなこ
真千子の夫:斉藤 陽一郎